社会人ランナーの最大の敵は、才能でも年齢でもなく「時間」です。家事・育児・仕事に追われるなかで、練習時間をどう確保し、限られた時間でどう速くなるか。ここで大きく差がつきます。
この記事では、ランニング専門サイトや指導者の解説をもとに、忙しい大人ランナーでも実践できる「練習の裏技」を10個まとめました。長時間走り込めなくても、やり方しだいでタイムは伸びます。
裏技① 「時間ができたら走る」をやめる
練習が続かない人のほとんどが「時間ができたら走ろう」と考えています。でも、社会人に”空いた時間”は永遠にやってきません。続く人は逆で、「何曜日の何時に走る」と先に決めてしまう。練習を予定表に固定して、ほかの予定をその周りに入れるイメージです。決め打ちにするだけで、習慣化のしやすさが大きく変わります。目標を周りに宣言してしまうのも、続けるコツです。
裏技② 朝ランは「予定に潰されない」最強の練習
夜の練習は、残業・急な飲み会・子どもの寝かしつけなど、いくらでも邪魔が入ります。一方、朝は自分以外の予定がほぼゼロ。少しだけ早起きすれば、誰にも邪魔されず練習を終えられます。朝に走れば「今日はもう走った」という安心感で1日を過ごせるのも大きなメリット。早寝とセットにすれば、生活リズムも整います。
裏技③ 体重を1kg減らすと、フルが約3分速くなる
練習量を増やせないなら、「体を軽くする」という裏技があります。一般に「体重が1kg減るとフルマラソンは約3分速くなる」と言われます。3kg絞れば、計算上は約9分。これは練習だけで生み出すには、かなり大変なタイムです。
もちろん極端な減量は禁物で、筋肉や体調を犠牲にしては逆効果になります。ただ、走る量を増やせない時期こそ、食事を整えて「走る体」を軽くしておくことが、もっとも効率のいい時短トレーニングになります。
裏技④ 距離は「いきなり増やさない」
やる気が出たときほど危険です。週の走行距離を急に増やすと、故障のリスクが跳ね上がります。目安として、各週の距離は「過去4週間の平均の0.8〜1.3倍」の範囲に収めると、ケガのリスクを抑えやすいとされています。
「先週20km走れたから今週は40km」ではなく、少しずつ。焦って増やして1か月走れなくなるより、コツコツ積み上げたほうが、結局は速くなります。
裏技⑤ 週2〜3回の筋トレで「壊れない脚」を作る
ランナーの故障は、膝・ふくらはぎ・アキレス腱・足首に集中します。その多くは「走るための筋力が足りていない」ことが原因。距離を踏めるようになっても、筋肉の準備が追いついていないケースは多いのです。
対策は、週2〜3回の筋トレ。スクワットなどの下半身トレーニングを取り入れるだけで、故障予防になるうえ、走りそのものも力強くなります。1回10分でも十分。走れない日のメニューとしても優秀です。
裏技⑥ ペース走は「レースペース寄り」で60〜90分
限られた時間で効果を出すなら、だらだら走るだけではもったいない。目標タイムを狙うなら、ペース走を「目標レースペースに近い設定」で60〜90分走る練習が効きます。たとえばサブ4なら1kmあたり5分40秒前後。本番のペース感覚を体に染み込ませておくことが、当日の安定につながります。
裏技⑦ 土台づくりは「ゆっくり長く」のLSD
速い練習だけでは脚は持ちません。LSD(ロング・スロー・ディスタンス=低強度で長時間走る練習)は、持久力の土台を作る基本メニューです。脂肪を使う効率が高まり、初心者にもおすすめ。週末にまとまった時間が取れる人は、ゆっくり長く走る日を1回入れておくと、フルの後半が変わってきます。
裏技⑧ ポイント練習の翌日は「あえてゆっくり」
速い練習や長い距離を走った翌日に、また追い込むのは逆効果です。疲労が抜けないまま練習を重ねると、故障に直行します。「疲労をケアすることも練習の一部」。きついメニューの翌日は、ごく軽いリカバリージョグにする、あるいは思い切って休む。練習後のストレッチも欠かさずに。
裏技⑨ 痛みは「3日ルール」で見極める
少しの痛みを無視して走り続けた結果、何か月もレースに出られなくなる——ランナーあるあるです。次のような痛みは黄色信号。早めに専門家へ相談してください。
- 体をいつものように動かせないほどの痛み
- 走ったあと3〜4日たってもよくならない痛み
- 走っているうちに、どんどん悪化する痛み
「休む勇気」は、長く走り続けるための立派な技術です。
裏技⑩ 走れない日も「階段・スクワット」で脚は作れる
どうしても走る時間が取れない日もあります。そんな日は「ゼロ」にしないこと。階段の上り下り、スクワットなど、自宅でできる運動でも下半身は鍛えられます。短時間の運動でも代謝は上がり、続けることでベースの体力は確実に維持できます。「走れない=練習できない」ではありません。
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練習で積み上げた力は、本番の立ち回りと直前の体調管理で初めて発揮されます。シリーズでまとめています。
はっしーのコメント
私の練習時間は、平日は朝5時から。子どもが起きてくる前の、誰にも邪魔されない時間です。月間150〜200kmを、この「朝の積み重ね」だけで作っています。正直、まとまった時間が取れる日はほとんどありません。それでもサブ3を狙えるところまで来られたのは、今回紹介したような「時間がなくても効くやり方」を選んできたからだと思います。忙しさは、いくらでも言い訳にできます。でも、やり方を変えれば、忙しいまま速くなれます。



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