レースで力を出し切る|コンディショニングの裏技10選

コンディショニングの裏技|マラソン前の食事と道具 コラム・知識

どれだけ練習を積んでも、本番で体が重かったり、ガス欠を起こしたりすれば、実力は出せません。レース直前の数日間の「整え方」、これがコンディショニングです。

この記事では、管理栄養士や医師の監修記事をもとに、フルマラソンで力を出し切るためのコンディショニングの裏技を10個まとめました。練習の最後の仕上げとして、ぜひ取り入れてみてください。

裏技① カーボローディングは「3日前から高糖質」でOK

カーボローディングとは、体内にエネルギー源(グリコーゲン)をたっぷり貯めておく食事法です。かつては「いったん糖質を抜いてから一気に詰め込む」古典的な方法が知られていましたが、体への負担が大きく、失敗もしがちでした。

今、多くの市民ランナーに採用されているのは改良型です。糖質を抜く期間はなく、「レース3日前から高糖質の食事に切り替える」だけ。リスクが少ないうえ、古典法と同じくらいグリコーゲンを蓄えられます。食事のカロリーの7〜8割を炭水化物から摂るイメージです。

裏技② 「量を増やす」より「糖質の割合を増やす」

カーボローディングでありがちな失敗が、単純に食べる量を増やしてしまうことです。総カロリーが増えると、当日に体が重くなってしまいます。

正しくは、食事の総量は大きく変えず、「おかずを少し減らして、主食(ごはん・パン・麺)を増やす」=糖質の割合を上げること。脂っこいおかずを控えめにして、その分ごはんを増やす——このバランス調整がコツです。

裏技③ 前日は「消化のいいもの」だけにする

レース前日は、糖質をしっかり摂りつつ「消化のよさ」を最優先にします。脂肪分の多いもの、食物繊維の多いもの、固い塊肉(ステーキなど)、加熱しすぎて固くなったものは、消化に時間がかかります。

「縁起担ぎでトンカツ」は、実は前日には不向き。うどん、おかゆ、白いごはん、餅など、胃にやさしい糖質を選びましょう。生ものも、当日のお腹のトラブルを避けるため控えるのが無難です。

裏技④ 前日は「動かない勇気」を持つ

前日のミッションは「エネルギーの温存」と「疲労抜き」です。観光で歩き回ったり、念のためと走り込んだりすると、脚の元気を本番前に使ってしまいます。

遠征するトップ層には、前日は極力ベッドで脚を休め、当日は会場近くに泊まってギリギリまで脚を温存する人もいます。そこまでしなくても、「前日は動かない」と意識するだけで当日の脚の軽さが変わります。持ち物やコースの確認といった準備は、前々日までに済ませておきましょう。

裏技⑤ 睡眠は「前々日」が本番

レース前夜は、緊張でうまく眠れないことがよくあります。実は、当日のパフォーマンスにより効くのは「前々日の睡眠」です。前夜に多少眠れなくても、前々日にしっかり眠れていれば、大きな問題にはなりません。

逆に「いつもより長く寝なきゃ」と気負いすぎると、かえって体がだるくなることも。睡眠は「いつもより1時間ほど長め」を目安に、自然体で。前夜眠れなくても「前々日に寝たから大丈夫」と思えれば、それだけで気持ちが楽になります。

裏技⑥ 当日朝食はスタート3〜4時間前

当日の朝食は、スタートの3〜4時間前に。消化の時間を確保し、走り出すころにエネルギーへ変わるタイミングです。メニューはうどん・おかゆ・トーストなど、消化がよく食べ慣れたもの。朝食からスタートまで時間が空くなら、1時間前ごろにバナナやエネルギーゼリーで補食を足します。

裏技⑦ 練習・レースの日は「いつもより早く寝る」

走った日の夜更かしは厳禁です。リカバリーで最も重要なのは睡眠で、質だけでなく時間も必要になります。しっかり走った日は、むしろいつもより1〜2時間早く布団に入るくらいの意識で。疲労を翌日に持ち越さないことが、次の練習の質を上げ、結果的にコンディションを底上げします。

裏技⑧ 温冷交代浴で疲れを翌日に残さない

疲労回復の裏技として、先輩ランナーがよく挙げるのが入浴です。なかでも温かいお湯と冷たい水に交互に入る「温冷交代浴」は、レース後・練習後の回復に効果的とされています。ぬるめのお湯にしっかり浸かったあと冷たいシャワーを浴びると、自律神経が整い、睡眠の質も上がります。シャワーだけで済ませず、湯船を活用しましょう。

裏技⑨ 走った後30分以内に「糖質+たんぱく質」

練習やレースの直後は、体が栄養を最も欲しているゴールデンタイムです。30分以内を目安に、糖質(エネルギーの補充)とたんぱく質(筋肉の修復)をセットで摂ると、回復が早まります。おにぎり+プロテイン、バナナ+牛乳など、手軽なもので十分。汗で失われた水分・電解質の補給も忘れずに。

裏技⑩ 本番で「初めてのこと」を絶対にしない

すべてのコンディショニングに共通する、最も大切な裏技。それは「本番でぶっつけ本番をしない」ことです。新しいシューズ、初めてのジェル、やったことのないカーボローディング——本番デビューは、トラブルの元です。

シューズも補給食もカーボローディングも、必ず練習で試しておく。「これは大丈夫」と体で確認できているものだけを本番に持ち込む。この一点を守るだけで、当日の失敗はぐっと減ります。

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はっしーのコメント

コンディショニングは「最後のひと押し」です。私も以前、前日に張り切って観光で歩き回り、当日に脚が重くて撃沈した、苦い経験があります。練習で積み上げた力を1%も損しないために、直前の数日はとにかく「守り」。今回の10個のなかでも、⑩の「本番で初めてのことをしない」は本当に大事です。せっかくの練習を、当日の冒険で台無しにしないでください。

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