ロング走(30km走)とは?効果・距離・ペースをタイム目標別に解説

サブ3

「30km走、必要なのはわかるけど、3〜4時間も走るのキツすぎる」── そう感じて先送りにしている人は多いと思います。ロング走(25km〜35km)は、フルマラソンの「30km以降の脚」を作るための代表的な練習。LSDが「会話できるくらいゆっくり長く」、ロング走は「レースペースより少し遅いペースで本番に近い距離を走る」練習で、本番の脚の耐久を作ります。

この記事では、ロング走(30km走を含む)の効果・基本のやり方・タイム目標別の距離とペース・補給戦略をまとめます。

ロング走とは?「本番に近い距離を、目標ペース+30〜60秒で走る」練習

ロング走は、フルマラソンの本番ペースより30〜60秒/km 遅いペースで、25〜35kmの距離を走る練習です。LSDの「会話できるくらいゆっくり(目標+90〜120秒)」より速く、ペース走の「目標+0〜15秒」より遅い、その中間の強度になります。

狙いは「フルマラソン後半の脚の耐久」「補給リハーサル」。長時間動き続けることで、関節・筋肉・神経・エネルギー代謝を本番に近い形に慣らしていく練習です。

なぜ効くの?ロング走の3つの効果

① 脂肪をエネルギーに変えやすくなる

2時間以上の運動では、体内のグリコーゲン(糖質)が減り始めます。ロング走を継続すると、ミトコンドリアが増えて脂肪をエネルギーに変える効率が上がっていくとされ、後半に糖質を温存しやすい体になっていきます。30km以降の失速を抑える土台のひとつです。

② 関節・腱・筋肉の「距離耐性」が育つ

フルマラソン本番の脚へのダメージは、心肺だけでなく関節・腱・筋繊維へのマイクロダメージも大きな要素です。30km走で同じレベルの衝撃を経験しておくと、本番でも「想定外のダメージ」になりにくく、ペースを保ちやすくなります。

③ 補給戦略を本番より先に試せる

レース当日に初めて「ジェルが胃に重い」「水分を摂りすぎてお腹が張る」と気づくのは避けたいところ。ロング走は補給リハーサルの場でもあります。20〜25km地点でジェル摂取・給水のタイミングを試して、自分の胃腸に合うものを見つけておくと安心です。

各走者向けの適切なロング走メニュー|タイム目標別の距離・ペース

  • 初心者(完走目標):7分30秒〜8分30秒/km、20〜25km、所要2.5〜3時間。月2回
  • サブ5:フル平均ペース 7分06秒/km、ロング走は7分30秒〜8分00秒、25〜28km、所要3〜3.5時間。月2〜3回
  • サブ4:フル平均ペース 5分40秒/km、ロング走は6分10秒〜6分40秒、28〜32km、所要3〜3.5時間。月2〜3回
  • サブ3.5:フル平均ペース 4分58秒/km、ロング走は5分30秒〜5分55秒、30〜35km、所要3〜3.5時間。月2〜3回
  • サブ3:フル平均ペース 4分15秒/km、ロング走は4分45秒〜5分10秒、30〜35km、所要2.5〜3時間。月3回(35kmはこのうち月1回までが目安)

※レース3〜4週前から距離を伸ばし、レース2週前は距離を短くしてテーパリングに入ります。30km走は本番の3週間前を最後にするのが一般的です。

心拍数の目安

ロング走の心拍は 最大心拍数の70〜80%、Zone 2後半〜Zone 3前半が目安です。LSDより少し高く、ペース走より低い「快適だけど少し負荷がある」ゾーン。会話は2〜3語ずつなら可能、長文は厳しいくらいの強度です。

補給戦略(ロング走の重要ポイント)

  • スタート前(30分前):おにぎり1個 or バナナ1本+水500ml で糖質と水分をチャージ
  • 10km地点:スポーツドリンク 200ml で水分補給
  • 15km地点:エネルギージェル 1個(30〜40g)+水 200ml
  • 20km地点:スポーツドリンク 200ml で水分+電解質
  • 25km地点:30km以上走る日は2個目のジェル(30〜40g)
  • 終了後30分以内:おにぎり+プロテインや牛乳など、糖質+タンパク質を補給

※自分の胃腸との相性は本番3〜4週前のロング走で確認しておくのがおすすめ。本番で初めて使うジェルはお腹のトラブルにつながりやすいので注意です。

ロング走をやる前の3つの注意点

① 前日・前々日は走らないか、軽いジョグ程度に

ロング走の前に疲労を溜めると、後半でフォームが崩れて故障につながりやすくなります。前日は完全休養、または30分以下のリカバリーランくらいに。睡眠も7時間以上確保できると安心です。

② 翌日は完全休養か、リカバリーランで

ロング走の翌日に高強度練習(インターバル、ペース走)を入れるのはリスクが高いと言われます。中3日以上は空けておきたいところ。「30km走 → 翌日インターバル」は故障につながりやすい組み合わせです。

③ 本番3週間前を最後にして、それ以降はテーパリング

30km走はレース3週間前までに終わらせる人が多いです。それ以降は距離を落として疲労抜き(テーパリング)に入る形。「2週間前に30km走」は本番のパフォーマンスを落としやすい、と言われています。

よくある質問

Q1. 30km走、どこで走ればいい?

河川敷の長い直線(多摩川・荒川・淀川など)が適しています。信号がなく、自販機やコンビニで補給ができる。一周5kmくらいの公園を6周する形でもOK。「迷子にならない」「補給ポイントがある」場所を選ぶと走りやすいです。

Q2. ペース設定がうまくいきません

よくあるのは「序盤を速く入って20km過ぎで失速」のパターン。「最初の5kmは設定ペース+20秒くらいで入る」と安全です。徐々に上げて25km以降に設定ペース、というビルドアップ的な走り方が、後半までもちやすい印象です。

Q3. 30kmまで走り切れない時は?

無理に走り切る必要はありません。25kmで脚が止まったら歩く、それでも難しければ帰る、で大丈夫です。ロング走は本番のリハーサルなので、本番で起きうる失敗を再現しておく価値もあります。次回までの課題(ペース設定、補給、睡眠)が明確になります。

Q4. 月に何回までやってもいい?

月3回くらいが上限と考えるランナーが多いです。それ以上は故障リスクが高くなる印象。月2回でも効果は十分積み上がるので、「ロング走を増やせば速くなる」と週1回にするのは故障リスクが高い、と一般に言われます。

はっしーのコメント

ロング走は「フルマラソンの本番を本番より先に経験しておく練習」だと思っています。30km走で「これ以上はキツい」「補給はこれが合う」「シューズはこれだ」を確認しておければ、本番が「慣れた距離を走るだけ」に近づく感覚がある。

初フルマラソン完走目標であれば「20km × 月2回 + 25km × 1回」を本番3ヶ月前から。サブ4以上を狙うなら「30km × 月2回」を本番2ヶ月前〜3週間前に集中投入。サブ3を狙う段階なら「30km × 月3回(うち1回を35kmにする月もあり)」あたりがひとつの目安かなと思います。

今週末、いつもの長めのジョグを「目標ペース+30〜60秒のロング走に変えてみる」。距離を伸ばす前に、まずペースを少し上げてみる。それだけでも本番後半の感覚が変わってくる気がします。

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